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朝霧先生(ry 26話 ぬこ狩りでgdgd。

ズドンッという重い打撃音、それと共に粉砕される氷塊。

「ば、馬鹿な……」
「ぽかーん……」 俺もエヴァも開いた口が塞がらない。それもそうだ。今、直径2mを越える氷塊を粉砕したのが、気を本格的に習い始めて一日目の大河内アキラなのだから。

「う、内よりも……そそそ外に干渉、し、しやすい体質とか、いいい言ってたの、誰?」
「わ、私だ……い、いや、普通そう思うだろう? な、並の術者程度の早さとは言え、しょ、初歩の詠唱魔法を、あああ、扱える様に、なったのだからな……」

あまりの出来事に俺もエヴァも上手く口が回らない。今のがただの氷塊だったならまだいい。だけど、アレはエヴァの魔力を込めた物だ並の強度じゃない。こんな馬鹿な話があっていいのか? いや、無い、反語。
そんなちょっと壊れた俺達を他所に、とてとてと小走りに近づいて来るとんでも娘さん。

「な、何か……出来ちゃったよ?」

ちょっと自分でも驚いている様な様子を見せながらも、首を傾げながら可愛らしく言う。

「で、出来ちゃったな。あ、合気道もさ、教えてたから……も、もしかして、とか思っちゃったりした訳よ?」
「ああ、き、貴様の言いたい事はわかる。み、短い期間とは言え、き、貴様が基礎から徹底的に、おおお、教えてたと、い、言うのなら、た、多少、多少の気は扱えても、お、おかしくはない。瞑想も、内と外、両方を意識する様にやらせていたのも、き、貴様だ」

魔力も気も、どちらでも好きな方を扱える様になってもらう為にな。それで開花した才能が魔法だと、俺達は思ってたんだが。まさか気の方だったとは。

「大河内、お前、まず……き、気を極めて見ないか?」
「あ、ああ、私もそう思うぞ。こ、これは、ま、間違いなく貴様の、貴様の才能だ」
「そうかな?」

何だかんだで修行に付き合ってたんだ、エヴァも何らかの思い入れがあるんだろ。人を褒めるなんて滅多にしない、あのエヴァが褒めたんだ。これが才能でない筈が無い。

「ああ、タマちゃんとマスターがとても面白い事に……」

むしろこれを見て、面白い事にならない奴の方がおかしい。これはそういう次元の話だ。
仮契約等で一般人が魔力供給を受け身体能力を強化した場合でも、岩などを容易く破壊出来てしまう。だが、エヴァ特製氷塊は別だ。容易く砕けぬ様に細工をしてる筈なんだが……まさか粉砕してしまうとは。

「クラスメイトとしての私から見た場合の意見だが。正直、大河内アキラには、そういった兆候があった。でなければあの身体能力の高さは説明出来ん。何かのタガが外れた時だけの話ではあったがな……」
「う、ウチのこのかみたいに、無意識の内に気を使ってたんだろうな……多分」

それが今回の修行によって、成果として現れたと。それなら納得出来ないでもない。元より2-Aの生徒は、無駄に身体能力の高い奴が何人か居る。大河内もその一人だ。このかの場合は、かなりの期間、俺から合気柔術を習っていたからなんだが。

「え、エヴァの言ってた通り、化けたな……」
「ああ、思っていたよりも随分と早いがな……化けた」
「普通ってなんだと思う?」
「私にだって、わからない事くらい、ある……」

二人で頭を抱えながら現実逃避した。






「き、気を取り直してだな。エヴァ」
「な、何だ馬鹿猫?」

いつまでも逃避してる訳にもいかない。今日はエヴァに頼みがあって来たんだ。

「せったんにこの別荘を使わせてあげたいんだけど……」
「お断りします」
「ちゃ、茶々丸!?」

驚きの早さで断られた、それも茶々丸に。予想外でありますよ。最近の茶々丸は、せったんの話になると妙に反応が早いから困る。

「桜咲刹那さんは、私の生涯のライバルであるのと同時に、倒さなければならない敵、越えなければならない壁でもあります。その様な方をおいそれと自陣に引き込む事は出来ません、許しません、させません」

一気に捲くし立てる茶々丸。本当に何があったんだろうか?

「ねえ、エヴァさん? 茶々丸さんと桜咲さんの間に何があったの?」

のほほーんとした表情で尋ねる大河内。問われた本人は、紅茶を飲みつつ何とも微妙で言い難そうな表情を浮かべながらも、大河内に視線を向け口を動かす。

「んむぅ……まあ、貴様なら話してもいいだろう。何、簡単な話だ。二人には譲れない何かがあった、それだけの話だよ」
「そうやって聞くとカッコよく聞こえるけど……実際のところどうなのかな?」
「…………も、もふもふする権利を争ってるんだそうだ。き、気持ちはわからんでもないがな!」

あー、なるほど。せったんは最終形態のもふもふが大好物だし、茶々丸は前から見たい、触りたい、もふもふしたいって言ってたもんな。

「ぬこの為に争わないで!」
「いくらタマちゃんのお願いでも、これだけは譲れません。譲るわけにはいかないのです」
「タマの身体でもふもふなんて、いっつもやってる様な……」
「ああ、それは違うぞ大河内アキラ。馬鹿二人が求めているのはだな、この姿のもふもふではなく、最終形態のもふもふだ」
「最終形態?」

んーまあ、大河内も結構染まってきちゃってるから話してもいいかな? という訳で簡単に説明。タマ以外にも変身出来て最終形態と読んでいる姿で、大きく凄いもふもふ力だよっと。

「ふぇー…タマって凄かったんだね」
「それだけぇ!?」
「ふん、貴様の奇行がアレ過ぎて、この程度の話には慣れたのだろう。珍しい反応ではあるがな」

まあ、どんな反応されてもいいんだけどな。化け物だし。ちなみにぬこにとって化け物は褒め言葉です。

「最終形態見たいなら、見る機会なんてすぐにあるんだけどなぁ…」
「それは本当ですかタマちゃん!」
「ああ、あの話か……まあ、見れると言えば見れるな。もふもふは出来んが。ふっふっふっふっふっ……ハーッハッハッハッハッハッ!!」

突然笑い声を上げ始めるエヴァ。無駄に勝ち誇っている様に見えるのは、きっと間違いじゃあない。ただ、いきなりそんな事をされたら、大河内が困惑してしまう訳で。

「え、エヴァさんどうしたのかな?」
「600年も生きてると色々あるんだよきっと。お年寄りには優しくしてやろうな? 大河内」
「うん、わかったよ」

物分りの良い弟子で大変よろしい。たまーに弄くって来るけど、基本素直な子だからな。それに案外ノリもよく、実はかなりのもふテクの持ち主。いやー、優秀な弟子が持てて幸せだなっ!

「おおい!? 何を言ってるか貴様らー!?」

え? てっきり600年で溜まりに溜まったストレスとかで暴走したのかと思ったのに、違ったのか。

「本当はもふもふされる覚悟のある奴にしか、もふもふさせたくないんだけどねぇ」
「……マスターに、もふもふさせなければならない理由があると言う事ですか?」

等価交換という奴ですな。アル・アジフ(男)から貰った情報の内、俺の身体に関する事だけを纏めてエヴァに渡して、最終形態の身体から魔法具とか造ってもらおうって話さ。特に竜の様な魔法生物の身体の、加工が困難な為、見返りとしてもふもふさせて上げるって事。……エヴァって案外安上がりなのな。

「この件に関しては、せったんから許可貰ってるからおkなんだよ。渋々だったけど。ただその代わりにせったんに別荘を使わせて欲しいなあっていう、ぬこのお願い」
「私はまあ、研究にもなる上に貴重な魔法具を造れるかもしれん訳だしな。おまけに、もふもふが付いて来る。これだけの条件だ、貴様の願いの一つや二つ、叶えてやっても良いのだがな」

エヴァの寛大な御心に感謝。でも問題は茶々丸でありますよ。二人の間でもふもふに関する何があったのかはわからないけど、出来ればせったんに別荘を使わせてあげて欲しい。

「茶々丸ぅ……お願いだからー」
「し、しかし……」
「茶々丸ぅ」

渋る茶々丸に仲間になりたそうな視線を送りながら、か細い声を出しまくる。

「わ、わかりました。わかりましたから、その様な声を出さないで下さい」

あっさり攻略出来ますた。ぬこSGEEEEEですね、わかります。

「それじゃあ久しぶりに変身しようかねぇ」
「おお……」

魔法具も早めに用意してもらいたいしね。詠春おじ様から式が届いて、何だか末端の行動が不規則になってるから気を付けてって伝言来たし。備えておいて損はない。つー訳で―――

「はあああああああ……」
「だからそれはやらんでいいと……」

久しぶりだし、形から入りたいんだよ! ザーボンさんみたいにあっさり変身したら面白くないだろ。それじゃあ逝くぜ!

「はあああああああ………ふぅん!」

自身に流れる魔力を極限まで高め四肢に送り込み、変化のスイッチを入れ巨大化させる。その一瞬で視界が変わる。ただし四肢以外はタマボディ。

「おぉいぃ!? 馬鹿者っ!? 何故足から変身するぅ!?」
「ば、バランス悪い……」

おっと、不評だったみたいだ。大河内の言う通りバランスは悪いが、こんな生物をどこかで見た様な気が。それはともかく次行ってみようか。

「はあああああああ………ぬぅん!」
「やめろ馬鹿猫!? その状態で翼を生やすなぁ!?」

むー、注文の多い奴だなぁ。黙って見てられないのか黙って。いいじゃないか、部分的に変身しても。何かデスピサロみたいだし。アレは変身というよりは進化だったな。恐ろしい、恐ろしいな進化の秘法。
仕方ない、エヴァお婆ちゃんがうるさいから一気に変身するか、そぉい!

「ようやくか……この馬鹿猫が、無駄に時間を掛けおってからに」
「はあ……はあ……タマです」

疲れてないけどはあはあ言っておく。変身持ちでは常識……じゃあないけど、個人的には変身する度にこうやって小ネタを挟みたくなってしまうので仕方ない。

「おっきい……っていうか、その姿でもタマなんだ……」
「タマです、大きいタマです」
「これが……タマちゃんの最終形態」
「実はもう一回変身出来る様な気がしたけど、別にそんな事はなかったタマです」

んー、やっぱ視点が高いとアレだねぇ、爽快だわぁ。エヴァがまるでマメ粒の様だぜ! 持ってて良かった変身能力……なのかな? まあいいや。

「それでは……さ、早速……」
「ちょい待ちエヴァ。まずは材料を切り取ってからな」
「き、切り取るって…大丈夫なのタマ?」
「大丈夫大丈夫、再生という生半可なぬこには真似できない能力があるから、ちょっとグロっぽいから見たくないんだったら見ない方がいいよ。茶々丸、駄目そうだったら大河内の眼を塞いで上げて」
「わかりました、タマちゃん」

とは言っても、この身体で使えそうなのって、竜の尾くらいしか無いんだけどね。他にもあるかもしんないけど、混ざりすぎてわからないみたいだから。

「茶々丸、大河内アキラ。少し下がっていろ」

俺の尾は無駄に硬いからなあ、衝撃でちょっと回りが危ないかもしれないし。アレ? チャチャゼロに協力してもらわないのかねぇ? つか、居ないし。またどこかで放置されてるのか? 可哀想な心の友よ。

「では―――行くぞッ!」

今現在注ぎ込める魔力を限界まで集中させた手刀。エヴァの力ならいけるだ……アレ?
キィィィィィンという音が鳴り響いてる訳なんですが?  もしかしてキレテナーイ? って、周りが竜の尾とエヴァの手刀が激突した所為で発生した衝撃で酷い事にッ!?

「ぬぅぅぅぅッ!? おい! 何だこの硬さは!? 昔、貴様の相手をした時よりも硬くなっているぞぉ!?」
「成長でもしたんだろ」

もしくは進化。おかしいなぁ? あれだけの魔力を込めたエヴァの手刀ならいけると思ったのに……あ。

「悪いエヴァ。障壁張ったままだったわ」
「ばぁぁぁかぁぁぁぁもぉぉぉぉぉぉのぉぉぉぉぉ!!?」

何かおかしいと思ったら通りで。気で強化してなくても障壁張ったままだったら、そりゃ硬いわな。自慢の尾だし。
しっかし全盛期程の出力が無いとは言え、エヴァの攻撃を防ぐとは……恐るべし俺のしっぽ。これは仕方ない。

「念には念を入れて、断罪の剣でスパっと」
「……わかっている」

その方が斬られる方も楽でいい。一思いにスパっとね。手刀に込められていた魔力を消し、今度は魔力の剣を具現させる。ただの魔力剣じゃないのが、断罪の剣の凄い所だな。
しかしアレだなー、何時見てもエヴァの断罪の剣は格好良いなぁ。出力も無駄に高いし。俺のとは大違いだぜ!

「それでは改めて―――ふん!」
「にゃふんッ!」

変な声出ちゃった。ちゃんと周りに被害が出ない様に剣速や衝撃を計算して振るってるのが凄い。これだけの威力なのにな。さすが600年生きた吸血鬼、出力のコントロールなんぞ容易いって事だな。

「それではー再生しまーす。再生し終わったらもう一回」
「む? まあ、別に構わんがな。数が多い事に越した事は無い」

魔力を尾に回し瞬時に再生。そんな訳で調子に乗った俺とエヴァは、追加で3本も斬っちゃったんだ。合計4本でありますよ。何と言うチート。これは間違いなくハンターとかが涙目だな。

「なんか、生命の神秘を垣間見た気がするよ……」
「嫌な神秘だな……便利だからいいけど」
「タマちゃんのしっぽ大収穫祭ですね」
「これだけあれば、魔法具もそれなりのものが造れるだろう。……で、だが」
「わかってるよ。でもせったん呼んでからな」

もふもふされる時は、権利者の元で監視されつつ用法用量を守って、正しくもふもふして貰わなければならないと言う、鉄の掟があるとかないとか。たまに愉快なキャラになるのな、せったん。

「ふん、まあ仕方あるまい。おい茶々丸、桜咲刹那を呼んで来い」
「嫌……ですが、それがマスターの指示ならば。本当に渋々ですが」
「お、お前は最近どうにも反抗的だな……ったく、もういい、私が行く」

反抗期なんだろ。茶々丸にだってそんな時くらいあると思いますよっと。



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