スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リリカルなのはをぐっだぐだにしてやんよ 3話。

「ヒャッハー!」

紆余曲折を経て、何とか『シャマルてんてぇのお城』から出る許可を得る事が出来た名無しの俺。
上半身は動かせる物の、下半身というよりは脚は未だに動かせない。そんな俺を救ってくれたのは、何の変哲もない『普通の車椅子』。これがあれば一人で食事を取りに行く事とか出来るだろう。未だにお風呂やトイレは一人では入らせてもらえんがねぇ! シャマルてんてぇ、ザッフィー超感謝。

さて、出身世界の特定がある程度進んでいる現状では、俺に出来る事がないと言うかやる事がない訳で。
“地球”という世界に何かありそう、というだけじゃ進展もクソもないんだけどね。せめて、俺の名前かそれに相当する何かを思い出せれば、さらに進展しそうではあるんだけど、何も思い出せない。

ミッグル先生を頼りに片っ端から、第97管理外世界“地球”の島国日本を調べてみたのはいいものの、劇的に記憶を揺さ振る様な事は見つからなかった。強いて上げるとするのなら『京都』という地名にもやもやを感じた程度だ。
そのまま京都を調べても特出して何かが出てきた訳じゃないので、ここで手詰まり。そして現在の状況に至る訳なんですが―――

「見せてやんよ――俺の速さって奴をなあ!?」

ミッグルてんてぇ経由で知ったマガズソという漫画雑誌っぽいノリで、六課(一般人が入ったら『メッ』な所以外)を車椅子で爆走する。時々擦れ違う、怪訝な表情をした局員さんのスカートが捲りあがる瞬間は見逃さずに―――俺は走る!

勿論、事故らない様気配を探りながらではありますが。どうやら俺は人の気配を読む事に長けているらしい。どうやってそんな技能を身に付けたのか、若干気にはなったものの今では記憶の奥底に。深く考えても思い出せないんだから、激流に身を任せて放置するのがグッ。

今日の昼ぐらいまではシャマルてんてぇもザッフィーも忙しいらしい。職を持つというのは大変でございますな。職場が特殊な環境なら尚更。一瞬の油断が命取り、とは誰の迷言だったか。

……ふう、と一息賢者タイム。ロビーから見える外の景色、行きたいのう……お外行きたいのう、お日様の光を思う存分浴びたいのう。
『シャマルてんてぇのお城』も居心地はいいんだけど、暇つぶし出来るものがなー。魔法の練習は禁止されてるし、お客様で病人扱いの俺じゃ、回覧出来る情報レベルも限られているっと。そうなるとあそこで出来る事は―――

「ヒルデガード先生のいぐぅレッスンくらいとなる訳だな」

ザッフィーとミッグル先生検索乱舞して時に引っ掛かった“地球”のゲーム、その名も『戦乙女ヴァルキリー』。シリーズものです。このタイトルを見た時に記憶の底に眠る何かが、反応して思わず色々と調べてしまった結果、『ヒルデガード先生のいぐぅレッスン』に辿り着き、ザッフィーと二人でお茶吹いた。

アレはあまりにも反則過ぎるでしょう? シャマルてんてぇがその場に居なかったのが不幸中の幸いだったのかもしれない。いや、案外シャマルてんてぇもああいうのが好きだったり……して欲しい!(願望)。

それはそれとしても、やはり外に行きたい欲求が抑えられない! 『お城』から出る許可は得たが、外出する許可を得てる訳じゃあないから、俺の希望は儚くも打ち砕かれてしまうのでありますが。

しかし、駄目だ駄目だと言われると余計に行きたくなるのが人と言う物、幸いにして車椅子でも外に出れそうな造りになっているから、出れない事もないだろう。出ちまいますかねぇ……ヒッヒッヒ―――ぬおっ!?

「こ、これは、ま、まさか……」

この下腹部を刺激する何か、溜まった物を思う存分放出してしまいたいこの衝動!

「こ、このタイミングで……にょ、尿意……だと?」

これは非常にエマージェンシーでありますよ! だって、シャマルてんてぇもザッフィーも居ないんだからな! このままでは、授かった『普通の車椅子』が俺の波動砲で悲惨な事になってしまう。漏る! 漏るです! モルデスよ! 

この不自由な身体でどこまで出来るかわからんが、どうやら『一人で出来るもん!(黄金水編)』というクエストをクリアしなければならない様だ。最悪、トイレがまずい事になってしまうかもしれないが、ここでお漏らししてしまうよりは、迷惑を掛ける事はないだろう。……まあ、どっちにしても成功しなかったら迷惑を掛ける事になってしまうんですがねぇ。

悠長に考えてる暇なんぞねぇ、早くトイレに行くべし! 滑りこむ様に行くべし!
と、そこではたと気付く、このロビーに来るまで何も考えずに爆走してきてしまったんだよな俺。というか、ロビーに来るの初めてなんだよ俺、つまり。

「ト、トイレ……どこ?」

そう、いつもはトイレに行く時もシャマルてんてぇやザッフィーが付き添って来てくれていたのだ。何度も行ってるなら場所くらい覚えてるだろうだって? 覚えてたら苦労しないんだぜ! まいった、これは非常にまいった。
迂闊に動いてトイレを探し回るのはいいが、見つけられなかった場合の事を考えると……ちくせう!

俺のミニマム脳味噌! 今、フル稼働しないでいつフル稼働するんだよ! 思い出せ……思い出すんだ俺。

「……はっ!? そうだ、トイレは『シャマルてんてぇのお城』の近くにあった筈だ!」

何せ、医務官であるシャマルてんてぇの『お城』だ。近くにないと不都合なのは確定的に明らか。
よーしよしよしよしよし、光が見えてきたぞ、このまま『お城』を目指せばトイレは見つかる! そうと決まったら―――アレ?

「『シャマルてんてぇのお城』ってどっちだったっけ?」

そもそも『お城』の近くにあるトイレの場所がわからないんだ、そうなると当然『お城』がどこにあるのかもわからない訳で……何と、俺の冒険はここで終わってしまうのか!? くそ、こんな事なら恥を忍んで尿瓶を携帯しておくべきだった! 

「ひぐっ!? ま、まじゅい……」

もう駄目なんだろうか? 世の中にはどうも出来ない事がある、確かにそうかもしれないが本当に? もしそうなら、そうなのだとしたら

―――もうゴールしてもいいよね―――

膀胱から絶え間なく送られてくる『さっさと出せやゴルァ!』という指令、息子に力を入れ続けるのもそろそろ限界に近い。調子に乗ってはしゃいだ結果がこれ、自業自得。ならば俺は、その運命に! その運命に従おうではないか! うん、運命なら仕方ないよね。

「あの君、顔色がわるいけど大丈夫?」
「え?」

『運命』に従って成すべき事を成そうと決心したその瞬間に聞こえてきた美声。ああ、これが冥途の土産という奴なのだろうか、『運命は時に厳しい』。かのロリ・デュナミス(ミッグル先生情報)が残した名言。ああ、確かに運命は厳しかった。
声を掛けてきてくれた女性を見る、この機動六課の制服とやらを見事に着こなす様、そして追撃のたまらんプロポーション、日の光を浴びて輝く長い金髪、恐らくは誰もが美人と言うであろう顔の造形。本当に気遣ってくれているのが、その表情から伺える。

「具合が悪いんだったら、シャマルに……あ」
「そ、そういう事であります……き、気遣ってくれるのは嬉しいのでありますが……ひぐぁっ!?」
「だ、大丈夫?」

全然大丈夫じゃありません。まさか、こんな美人さんの前で特殊な羞恥プレイをしなくてはならないとは、神とやらがいるのなら、この仕打ちはあまりにも残酷過ぎる。

「取り合えず、どういう感じなのか教えて? もしかしたら何とか出来るかもしれないから」

おぅふっ! 言えと申すのですか? このお馬鹿な状況を言えと、貴女は言うのですか? ……漏らしてしまうよりは数倍ましでありますかね。心苦しくはあるけれど、ここでバイオハザードを起こす訳には行かない!

「ト、トイレ……」
「え?」
「トイ、レ……にいぎだいんでずぅ! だけど場所が分からなくて、このままでは未曾有の人災が引き起こされかねません! 助けてください!」
「トイレだね? わかったよ。少し乱暴になっちゃうけど、我慢出来るかな?」

なん…だ…と? 普通異性のトイレの話なんぞ聞いたら引くんじゃないの? しかも初対面なのに。見た所シャマルてんてぇみたいに医務官という訳でもなさそうなのに、貴女が女神様か! これは限界を超えてでも我慢せざるを得ないだろう。

「が、我慢、で、出来ます!」
「うん、いい子だ。すぐに連れて行ってあげるから、安心してね」

言うないなや、背後に回って車椅子を押してくれる女性。限界が近いのをわかってくれているのか、言った通り少々乱暴な感じでかなりのスピードが出ているものの、刺激される程じゃあない。何と言う心遣い。

あれよあれよと言う間にトイレに到着。トイレに入るやいなや、車椅子に乗っている事から瞬時に判断して、抱え上げられ便座を降ろし座らせてくれた。

「ここからは、一人で出来るので」
「うん、それじゃあ終わるまで待っててあげるから」

事が終わっても、また車椅子に乗り込む作業がある事を見越しての発言なんだろう。何と言う優しさ、このご恩は一生忘れません!

「……ふぅ」

あの女性は一旦トイレから出ているので、波動砲の破壊音が聞かれる事はない。溜まりに溜まったエネルギーを全て放出する! 出せる時に出しておかなければまた同じ事が起きかねない。
波動砲発射から約2分、ここに来てから最長記録を更新してしまった。こんな記録なんていらないがね。

「お、終わりました……」
「わかったよ」

先に手を洗ってしまいたいのだが、車椅子に乗るまでそれが出来ないのがちょっと悔しい。先ほどと同じ様に軽々と抱えられて車椅子に。そのまま進んで手をキレイキレイ。

「よし、よく我慢できたね、えらいえらい」

まるで子供を褒めている様な感じで話掛けられ、おまけに頭をナデナデされる始末。助けてくれたのは凄く有難いのですが、まさか子供扱いされるとは思っていなかった。この容姿な上に自分が何歳なのかわからないから、仕方ないと言えば仕方ないんだけど、心の何処かで『子供じゃないよ!』と主張している気がする。

「それじゃあ、私はお仕事があるから。今度は迷わない様にね」

迷子扱い……いや、確かに迷子なんだけど。女性は見惚れる様な笑顔を見せ、長い金髪を揺らしながら行ってしまった。あ、恩人の名前を聞くの忘れてた、名前がわからなきゃお礼が出来ない。お礼出来る程の物を持っている訳じゃないけど。六課の人ならまた会う機会もあるだろう、その時に全身全霊を込めてお礼させて頂く事にしとくべし。

今回の教訓、付き人無しに出歩かない、用はきちんと済ませておく、でありますな。

 




さっきの事もあり、本日の残り時間は『シャマルてんてぇのお城』で謙虚に過ごす事に。シャマルてんてぇもザッフィーもまだ戻って来てない、一人は寂しいのう、暇じゃのう。
そういえば、擦れ違った局員さんも窮地を救ってくれたあの女性も、俺を見ても何も言ってこなかったな。不振人物扱い……は、車椅子に乗ってるからされる可能性は低いとしても、『いてもまったく問題無い』みたいな感じだったのは何でだろうねぇ。もしかしたらシャマルてんてぇ辺りが、事前に知らせておいてくれたのかな? ……次元漂流者的な存在だから、知らせておくのは普通か。

さて、シャマルてんてぇ達が戻ってくるまでの暇潰しを考えるとしますかねぇ。
基本的にはシャマルてんてぇかザッフィー、あるいは二人が一緒の時はいいんだけど、今回みたいに一人になると暇で暇でしょうがない。もう暇が売れたら大儲け出来るくらい暇(河童話)。

こういう時はやはり最近知った『ヴァルキリーラジオ』を聞くに限る。主よ、淫らな電波をお許し下さい、お許しします。どうやってこのミッドチルダに配信してるのか気になる。ミッドガルドとミッドチルダ、似てるから関係あるのかもしれないな、関係なくてもいいけど。
何か、取り込む情報が偏ってる気がする……まあいいか。今日も可愛い戦乙女であるレイアさんとヒルデさんのいぐぅ連発で、耳レイプされる作業に集中するのであります。

『この番組は、皆様の下半身に愛を―――』






視聴開始から数十分、聞いている間は暇を潰せるが終われば賢者タイム。シャマルてんてぇ達はまだ帰って来ない……ふう。少し真面目に情報収集でもしますかね、いやいや今までも真面目にやってたけどな!

「ミッグル先生、今日も面白、げふんげふん、良い情報をお願いします」

と、意気込んで始めようとしたところで。

「シャマル先生?」

女性の声が。来客、しかもシャマルてんてぇをご指名の様子。だが、残念な事に今この『お城』には俺しかない。いつもはシャマルてんてぇが応答してるから、俺は空気なのである。

「シャマルてんてぇならまだ戻ってきてませんよー」

ベッドからではどんな人が来たのか見ることが出来ないのが残念だけど、一応伝える事は伝えておく。

「て、てんてぇ? そ、そう。おかしいなぁ、この時間には居るって聞いてたんだけど」

『てんてぇ』という呼び方に若干戸惑った様な反応、いいじゃないかてんてぇ。それよりも『この時間に』という事は、そろそろ戻ってくるって事かな?

「今日は出て行ってから一度も戻って来てないので、多分待ってればすぐ戻ってくると思いますよー」
「それなら、待たせてもらおうかな?」

是非そうして欲しい。ここに来てまともに会話を交わしたのがてんてぇとザッフィーだけだったから、ここらで他の局員さんとお話がしてみたいと思っていたり。金髪の救世主様はカウントしてません。
そうこうしている内に入ってきたのは……何と、また美人だった。脅威の美人率、会う人会う人皆美人。ザッフィーはイケメン。
栗色の長い髪を左側でまとめた、いわゆるサイドポニーを揺らしながら近づいてくる女性。

―――お話、聞かせてもらっても……いいですか?―――

あれ? 何だ今の。

―――ふう―――レイジングハート、セットアップ―――

またっ! 今度は声だけじゃない、女性が近づいてくる度に頭の中で再生される……これは記憶か?
桃色に輝く光、次々と脱げていく制服、そして―――

「ピンクのおパンツッ!」
「ええっ!?」

俺のおかしな叫びに驚きの声を上げる女性。驚いているのを構わずにじっと女性の顔を見つめてみる、女性の方も首を傾げ不思議そうな表情を浮かべながら、こちらの顔を見やる。
どこかで見た事がある様な容姿、声にも聞き覚えがある。記憶の奥底から濁流の様に流れ込んでくる何か。

「あ、貴女様は!?」
「君はっ!?」

今度は互いに驚きながら指を指し合う。ああそうだ、俺はこの女性を知っている。思い出せ、思い出せ、思い出せ! 戻って来い俺の記憶ぅ! 

「た、た、た」

目の前の女性は何故か俺の声に合わせてうんうんと頷いている、どうやら記憶喪失なのを聞いているらしい。頑張れ俺、もうすぐそこまで来てるぞ!

「た、たか、たか……高町―――」

指していた指を大きく上下に揺らしながら女性の名前を呼ぼうとする俺。握り拳をして力を込めながらまたうんうんと、今度は大きく頷く女性。お互いに熱くなってるせいかリアクションも大きい。
よーしよしよしよしよし、思い出してるっぽい、いけるぞ俺! そう! 彼女の名前は高町―――

「なのねさん!」
「惜しい!」

な…ん…だと? って、何かこんな感じのやり取りを前にやった気がする。


スポンサーサイト

コメント

No title

書いてはいけないかもしれないけどあえて書きます。
続き希望。
先が楽しみで、ワクテカ状態ですね~。
2010-04-03 21:39 #JalddpaA URL [ 編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

http://gdgd081.blog89.fc2.com/tb.php/50-97409877

 | ホーム | 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。