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朝霧先生(ry  47話 登校地獄でgdgd。その七。

「うおおおおおおおおおおっ! せったんうおおおおおおおおっ! ――――何で裸エプロンじゃないのっ!?」
「ど、どどどどうして私が、そんな破廉恥な格好をしていなくてはいけないんですかっ!?」

刀子さんの呼び出しから戻ってきて、第一声がそれなんて、私に喧嘩を売っているんでしょうか? 尻尾をピンッと伸ばし、「俺が全裸なんだから、せったんは裸エプロン」とか、「ニーソは標準装備で」とか……何なんでしょうこの破廉恥猫は。そもそもタマが全裸なのは、猫なのだから当たり前の事だし、私が裸エプロンなる格好でいる必要性なんてあるはずがない。

「お馬鹿な事を言っていないで、ほら、早く変身を解いて座って下さい」
「ぬぅ……今度作ってくれる時は裸エプロンで作ってね!」

全力でお断りさせて頂きます。




せったんに言われるがまま変身を解き、私服に着替えテーブルの前に座りスタンバイ。今日の献立は、ご飯に、鮭の塩焼き、豆腐と油揚げと長ネギくんの味噌スープ、ほうれん草のおひたし……割と普通だ。せったんの料理スキルが上がっている様で、先生はとても嬉しい。

「おいひい……」
「ありがとうございます」

二人だけの食卓であります、こ、これでは、まるで夫婦の様ではありませんか。ただし、夫はニート。日々をだらだら過ごす夫の代わりに、休む間もなく働き続ける嫁。最初は、夫の好きにさせていた嫁だったが、そんな生活に嫌気がさし、ついに―――

「おぉかぁわぁりぃ!」
「はいはい」

おお、美味い美味い。食べ馴れた、このかや茶々丸、さっちゃんのご飯もいいが、せったんの作ってくれるご飯も捨てがたい。他の生徒にもお世話になってはいるけど。

もきゅもきゅと食べつつ談笑。休日って素晴らしいね! もういっその事365日休日でもいいんじゃないだろうか? ……国が終わってしまうわな。

「今日はどうするのせったん」
「んっ、そうですね……別荘のおかげで時間的な余裕がありますから……まったりしましょうか?」
「せったんからまったりしようか、とは珍しい」

なら今日は、一日中もふもふしてもらおうかな。昨日、茶々丸も今日はメンテだって言ってたし……って、朝霧に戻ったら落ち着きの無さが少し納まった様な気がする。ご飯を食べて腹が膨れてきたからなのか、それともタマの時だけそうなるのか……どっちでもいいか。鮭うめええええええ!!

「ごちそうさまなのであります、とても美味しゅうございました」
「お粗末様です」

また機会があったら作って欲しい。と、さっさと食器を下げて、せったんと並んで食器洗い。洗い終わったら、二人で洗面所に行き、一緒に歯磨き。ちゃんとせったんの歯ブラシも置いてあるのですよ。ちなみに、俺の場合は、朝霧用とタマ用の二つが置いてあったり。歯を綺麗綺麗したら、まったり。

「まったりとは言っても、特にやる事がない」
「提出していない書類とかはないんですか?」
「休日まで仕事の話とかやめてよ!」
「休日でも仕事のある人はあります。というか、教師はほとんどそうなのでは?」

一般的な教師ならそうかもしれない、今朝一悶着起こした刀子さんもそうだし、我等がラッキースケベ瀬流彦先生もそうだし、もはや麻帆良にいるのかどうかすら怪しいタカミチだってそうだ。

「書類とか……後から転移でじいちゃんとこ送りつけとこ」
「また変な事に魔法使う……」

だって面倒だし、そっちの方が早いし。そんな事よりもこのまったりを大事にしようぜ! という訳でタマにヘシン!

「ごろごろー」
「……何をやってるんですか」

床をごろごろしているだけです、やる事とかないからごろごろです。DQMはもう育成終了してるから対戦するだけだしー、他のゲームはまた今度やればいいだけだから。しっぽでテーブルをそぉいっと避かして……

「ほら、せったんも一緒にごろごろー」
「……」
「ごろごろー」
「……」
「ごろごろー」
「……ご、ごろごろー」

ふっふっふっ、ごろごろの誘惑に負けた様ですな。一緒に床をごろごろ。右にごろごろ左にごろごろ。

「……はっ!? 何をやっているんでしょうか私は」

やっている内に恥ずかしくなったのか、我に返って床に手と膝をついて、がっくりと項垂れている。こういうのは深く考えたりすると恥ずかしくなるから、流れに身を任せてやればいいのに。このかとかそういうの得意だぜ! ……得意もくそもないか。

「そ~う~言~え~ば~、こ~の~か~は~?」
「アキラさんと一緒に魔法の本を読むと言ってました」
「我~が~弟~子~た~ち~は~熱心だ~ねぇ~」
「師匠はこんなんですけどねぇ」

弟子の自主性をなんとかかんとかだよ! せったんも言ってたが、別荘のおかげで時間的には余裕あるんだし、無理に詰め込む必要は無いとタマは思います。焦らなくてもあの二人なら結構いい所まで行くと思う、というかすぐに追い抜かれそう。

「ごろごろー」
「……楽しいですか?」
「楽しいよー、だからせったんももう一度一緒にごろごろー」
「ま、またですかぁ? わ、私はいいです―――」
「ほらぁー一緒にーごろごろー」
「……ご、ごろごろー」

こうやってせったんとごろごろしているだけで、丸一日潰せそうだ。あ、そいえば、タマになってるのにあの発情期的な感じがない。一時的なものだったんだろうか? それとも賢者タイム? ……どうでもいいやー。

「ごろごろー」
「ごろごろー」
「……何やってんのあんた達」
「ごろごっ!?」

明日菜だとぉっ!? いつ現れたんだこのツインテールは! ごろごろの心地良さがしゅごしゅぎて気付かなかったぞ! ちなみにせったんは丁度仰向けの状態で、手を胸の辺りでぬこ様に丸め、膝を折った状態で固まっている。まさかこのタイミングで人が来るなんて、思いませんよねぇー?

「……明日菜も一緒にごろごろする?」
「い、いや……私は遠慮しとこうかなー?」
「じゃあ帰れ」
「おい」

つか、せったんといい明日菜といい刀子さんといい、今日は中々忙しい日なのでありますよ。まあ、休日だからいいんだけどさ。何か用事あるっぽいし、せったんを前足で転がしてちょいっと失礼し、避かしてあったテーブルを元の位置に戻して座布団敷いて――

「はい、どうぞ」
「ありがと、気が利くわね」
「失礼するッス!」
「あるぇー? ユーノ妖精オコジョ君も来てたのかー」

オコジョ妖精のカモっスよ! 何て力いっぱい自己主張してるカモはスルーして、せったんをつつつんと突付き再起動させて座布団の上に座らせスタンバイおk。

「……アレ? 桜咲さんが居るのに、タマ普通に喋ってなかった?」
「……アッ-!」
「変な所を見られてしまったショックで、スルーしてしまってましたー!?」

何たる失態……って、明日菜こっちの事情知ってるし、せったんがこっち側の人間だって知られても、別に問題はないか。

「ま、言わなくてもわかるだろうけど、せったんもこっち側の人間だから」
「何となくそんな気がしてたけど、本当だったんだ……」

昔馴染みなのも知っているし、こんな感じで薄々感づいてたみたいな訳だしぃー。

「それで? あすにゃんは何かご用なのでありますか?」

先日の件か、それとも別の……つか、明日菜の中では俺はどういう位置付けになってるんだろう? 普通に考えれば……敵? かねぇ。

「前に、何かあったら相談に乗ってくれるって、言ってたわよね? それに基本的には生徒の味方だって」

おお、確かにそんな事言いましたな。明日菜記憶力良くなってるんじゃないか? 相談というと状況的に考えて、ネギくんとエヴァの話なんだろうな。

「もし、私がネギに協力してあげてって頼んだら、協力してくれたりする?」
「エヴァとガチ勝負しろとか、茶々丸とタイマン張れとか以外なら」

いや、エヴァと戦うのはいいんだけどねぇ、それやってエヴァの機嫌損ねたら別荘使えなくなるし。そうなると、弟子の修行場所にちょっと困る訳で……ついでに従者も同罪だーとか言われたら、せったんも使えなくなりそうだし。茶々丸? 茶々丸愛してるの精神で生きている俺が、模擬戦ならともかくガチタイマンとか出来る訳が無い。

「間接的になら、協力してくれるって事っスか?」
「ん、まあそうだな。つか、今日のフェレットくんは大人しいなぁ」
「オコジョっス!」

間接的に、と言っても出来る事なんて限られてくる訳なんだが……どうしたものかと、せったんの膝の上で丸くなりつつ考える。せったんの脚、すべすべしててたまらんのう、なんて堪能してたら、明日菜が眉を八の字にしながら。

「桜咲さんは……」
「申し訳ありません。協力して差し上げたいのは山々なのですが、私もエヴァンジェリンさんにはお世話になっているもので」
「ああ~、そうなんだ」

別荘使えなくなるのは痛い。まだ咸卦法の修練も終わってないからね。

「そいえば、その当事者のネギくんは?」
「あー、何か一人で考えたい事があるからって、朝早くに居なくなっちゃって」

そういう事もあるだろう。というか、ネギくん本当に大変だなぁ。……ネギくんと言えば。

「仮契約、したんだったか?」
「うえぇ!? そ、そうだけど……」
「その割には、強化時間が短い上にアーティファクトも使ってなかったよな」
「ああ、それはっスね」

何々? 何か勢いに負けて仮契約する事にした明日菜だったが、キス直前で恥ずかしくなっておデコにちゅーしてしまった為、契約が不完全な物になってしまった、と。なるほどねぇ。

ついでに、あーてぃふぁくと? と首を傾げている明日菜の為に、色々説明。仮契約したのはいいけど、不完全だったから、受けられる恩恵が短い魔力供給の身体強化だけとは。

「つか、いいの? 戻れなくなっちゃうけど?」
「そ、そんな事言われても……ネギは子供だし危なっかしいしで、放って置けないし……それにもう色々首突っ込んじゃったから」

明日菜はこういう子だよなー。仮契約自体は契約を破棄すればいいけど、日常に戻りたいんだったら記憶消さないと無理っぽいよな、明日菜の性格的に考えて。記憶に関しては、当の本人が消さないで欲しいと言う話になってた筈だから、尊重してやりたいけど。

「んじゃあ、明日菜はまたネギくんとエヴァが戦う事になったら」
「多分、ネギの手助けとかしちゃったりする、かも」

ですよねー。でも、仮にネギくんと明日菜の二人でかかって行ったとしても、エヴァ相手じゃちょっときついなぁ。今度は油断しない(キリッって言ってたし、茶々丸はわからないけど。

「何かこう、戦況をひっくり返せるだけのとっておきがあると、また違うんだけど……俺みたいなどっち付かずの奴に、ネギくんの情報教えるとか嫌だろ?」
「それは……そうっス」

その辺りの事は当たり前だから良いとして、どうしたもんかねぇ。どっかにこっちの事情に片足突っ込んでて、実は麻帆良でも有数の実力者で、協定に引っかからなくて、たまたまネギくんが魔法使っている所を見てしまった、なんて都合の良い人が居るわけ無いだろうし………本当にどうしようか?

「こりゃもう、明日菜が強くなるしか……」
「とは言っても、エヴァンジェリンさんが何時仕掛けてくるか分からない以上、それをする暇があるかどうか、ですよね」
「短期間で強くなる方法……咸卦法?」
「それは逆に時間が掛かりすぎると思うんですが……」

そうだよなー。でも、明日菜がある程度、前衛としての役割を果たすことが出来れば、ネギくんが戦いやすくなる訳で。って、何、明日菜その目は?

「かんかほう、って何?」
「ああ、咸卦法って言うのは――」

気と魔力を融合させてひゃっほー! と気の事も含めて簡単に説明。

「右手に気、左手に魔力。心を無にしてそぉい、みたいな感じで」
「右手に……気……左手に……魔力……心を無………」

アレ? 明日菜なんか自分の世界に入っちゃった。短期間で強くなれるっていう言葉に釣られちゃったのかねぇ。まあ、そんな簡単に出来る訳が―――

「―――合成」

って、ウソォッ!? 一瞬強い風が吹いたと思ったら、何故か明日菜が咸卦法を成功させてる件。え、ちょ、簡単に習得出来る物じゃなかったんじゃないの? もしかして不完全な仮契約で、潜在能力が目覚めたとかそんなんだったり? だからって一発で成功するか普通? これじゃあ究極技法(笑)じゃないかぁっ!

せったんなんか、驚きのあまり口をパクパクさせて「わ、私の努力……」とか呟いちゃってるし。いやいや、これは予想外過ぎるって。

「……って、アレ? 皆どうしちゃったの?」
「どうしちゃったのって……明日菜お前、ちょっと自分の身体を見てみ」
「身体って……ちょ、何これっ!? 何か凄い事になってるんだけどっ!?」

ええっ、無意識だったの? 無意識で咸卦法成功させちゃったの? 元々身体能力に秀でてたり、このかの同室だったりと何かあるんじゃないかとは思ってたけど。

咸卦の気を纏って右往左往している姿を見ると、明日菜だなぁとか思っちゃうけど……これは凄いというか酷いというか、せったんマジ涙目だな。

「こいつぁ……いけるかもしれねぇっスよ姐さん!」
「うん。ネギから受けた魔力供給? の時よりもずっとずっと凄い! これなら!」

確かに咸卦法を使える様になったなら、結構いい戦力になるかもしれないけど……良かったのかなぁコレ? もうマジで明日菜日常に戻れなくなっちゃったよ。

「お前、本当にそれでいいの?」
「いいも何も、私がどういう性格してるかなんて知ってるでしょ? それに、私らしく行動すればいいって言ってくれたの朝霧先生だし、今はタマだけど」

良いのかなぁ? 本人がそれで良いって言うならいいけど……何だかなぁ。というか、いざネギくんVSエヴァってなった時に、ネギくんが明日菜の手助けを受けるかどうか……一人で抱え込んじゃうような性格だし。と、考え込んでたら、明日菜の纏っていた咸卦の気が無くなってしまった、ガス欠だな。

「あれ、切れちゃったわよ?」
「そりゃ、お前、永久機関じゃないんだから……」

本当なら色々とやらなきゃ行けない事とかあるんだけど、それ通り越していきなり咸卦法だもんよ、そりゃすぐにガス欠になるってもんだわな。明日菜の方は……仕方ないか、いざとなったらこっちで手を尽くしてやれば良いだけの話だし。あとはネギくんかぁ……ネギくんが何を使えるかわからんけど―――本棚にある魔導書を尻尾で引っ張り出して、該当する所をノートに書き書き……尻尾万能過ぎる。

「カモ、これネギくんに会ったら渡しといてくんろ」
「これは……わかりやした」
「俺が出来るのはここまで。これ以上はちょっとねぇ……」

勿論、エヴァに今の事を話したりはしないけど。これだけやっても多分……エヴァ負けないんじゃないか? エヴァの事だから色々仕込んでそうだし。つか、見事なダブ☆スタだな俺。

「んじゃ、俺はこれからまったりするから、おみゃあ達はネギくん探しに―――」
「あ、それは大丈夫。ネギ保護したって連絡来てるから」
「マジでっ!?」

一体誰が保護したんだろうか? とドダバタしてる内に明日菜とキャモは退散してしまった。って、せったーん? せったーん? 瞳にハイライトが無い状態で固まってるよ。せったんなら大丈夫だよきっと。別荘もあるんだからせったんはせったんのペースでっと。

取り合えずせったんを再起動させる為に、膝の上に後ろ足で立ち、前足でせったんのおっぱいを下から持ち上げ、ふんばってそぉい!

「ここはっ、タマにぃ、任せてえぇぇぇ、先に行けえええぇぇぇぇぇ!!」
「はぅっ……わ、私の苦労が、いい、一瞬、一瞬で……一瞬、だけど、閃光の様に……ああっ! それってつまり一瞬しか融合させられなかった私の事ですねえぇぇ!! ―――んっ、それで、タマは何をしているんですか?」
「ネタ」

どうやら再起動に成功した様であります。いや、まだ油断は出来ない。再起動が始まったと思ったらまた再起動なんて、ちょっとPCの調子が悪かったら、日常茶飯事だぜ!

「せったんのおっぱいをぬこの肉球の感触で刺激し虜に」
「確かにタマの肉球をぷにぷにすると気持ち良いですが……胸には余り肉球の感触が伝わって来ません、というかセクハラだと、何度も言っているじゃないですか」

むう、せったんクラスのおっぱいだと、肉球感触がイマイチ伝わらないとな? 那波とかアキラなら伝わるんだろうか? 今度試してみよう。ってのは置いといて。

「何か、俺、自分から明日菜煽っちゃったぜよ……何やってるんだかねぇ」
「まあ、こうなってしまった以上は仕方がないでしょう……」

ですよねー。仮に明日菜やカモォォンに手を出すなって言っても無駄だからねぇ、明日菜はあの性格だし、まさかあそこまでネギくんにご執心になるとは、ぬこもびっくりだったけど。カモは……ネギくんの使い魔だから、自分のお主人ちゃんが危険な目に合うのを、黙って見ている事は出来ないだろうし……多分、そうだよな? ニャモ。

「ただ、明日菜さん達に助力したのがエヴァンジェリンさんにバレると……」
「ああ……最悪、俺だけ出入り禁止になる様に全裸で頼み込んでみるわ。場合によっては身体で、は、払うよ?」
「いちいち恥らわなくてもよろしい」

払うと言っても竜の尾なんですけどね。






そんなこんなで、時間は流れる。アル(ryの所に行ったり、キャシーとニャッニャッキュキュキューンしたり、せったんの修練に付き合ったり(試しに『右手に地獄、左手に天国』でやってみ、とか言ってやらせてみたら、融合時間が3秒延びますた、マジ何なんなの咸卦法?)、長瀬がウチに来たり、刀子さんが瀬流彦先生にあの時の醜態を事細かに教えてもらったり、茶々丸愛してたり、ネギくんがエヴァに決闘を申し込んだり、ちなみに時間を指定するのはエヴァで、場所を指定するのはネギくんらしい。エヴァ絶対なんかやる気だろ。

たまには仕事しようと思い、修学旅行先で止まる予定の旅館で働く従業員の顔覚えようとして2秒で飽きたり、アル(ryの所に行ったりしたけど―――

「俺は今もニートです」
「それ皆知ってるよ朝霧先生? 何言ってるの?」

たまにはいいじゃないかアキラ。現在、ニートの秘密基地(家)には、このか、アキラの弟子二人に、このかの護衛役のせったん、そして何故か今ここに居ると凄くまずい気がする茶々丸、と俺の五人。何で茶々丸がここにいたらまずいかって行ったら、そりゃ……今日、ネギくんとエヴァの決闘の日だからさっ!

「ほんまに行かんでええの?」
「ええ、私が行かなくても代わりは居ますから。と言いますか、マスターに「今日は私一人でぼーやの相手をするから、手を出すな」と言われてしまいまして」

え、何その露骨なエヴァ負けフラグ。封印状態でネギくん相手、は大丈夫だろうけど、それに明日菜が加わると結構厄介だと思うんだ……とか言ってはみたものの、事前にエヴァから色々聞いたから知ってるんだよなぁ。どうやら、封印されていた力を時間制限付きで何とか出来るらしい。これは、ネギくん涙目ですね、わかります。

とまあ、それはエヴァ達の問題だからいいとして、そろそろお仕事の時間なのであります。いつもの巡回警備だけどねぇ。あー働きたくない。

「そいじゃ、さっき説明した通りのやり方で出来ると思うから、思う存分視姦していってね!」

念のため、認識阻害の札を身体に貼り、おでこに指を当てて、そぉいっと目的地に転移。





「これ、どう見てもタマ…だよね」
「うん、どう見てもタマや」

今、お嬢様とアキラさんがお話になっているのは、目の前にある奇妙な置物の事だ。以前、私が朝霧先生の監視用にと、クウネルさんにお願いしたら、二つ返事で作ってくれた物が今日完成し、朝霧先生に取りに行ってもらいました。巡回警備の時も、朝霧先生が刀子さんや神多羅木先生組むのなら問題はないのですが、一人で巡回警備をさせてしまうと碌な事にならない、というか下手したら働かない、何て事態が起きかねない。最近は早々襲撃がある訳ではないので、それはいいんですが、もし、朝霧先生が単独で行動している最中に、何らかのトラブル……お嬢様を狙った刺客や盗掘者の類が来た場合、とてもまずい事になってしまう、主に襲撃して来た側が。

あの朝霧先生の事だ、真面目に撃退せず、何らかのネタで遊び始めかねない。結果、無事に事を収める事が出来たとしても、朝霧先生の場合はその過程の部分がアレ過ぎると……ねぇ? かと言って、隣でお茶を飲んでいる茶々丸さんと組ませると……事態は更に酷い事に。

そうならぬよう、クウネルさんに用意して頂いたのがコレ。腰を横に付き出して二本足立ちしたタマが、大きめの水晶の、半分から上を持ち上げているコレ。朝霧先生監視用『タマタマタマちゃん』である。

土台になっている水晶に着いているボタンを押すと、対象を映し出す仕組みになっている。朝霧先生が何を見ているか気になった時は、視点変更も出来る優れもの。

「それでは」

ボタンを押して起動。水晶が光を放つと映像が壁に映り出す。朝霧先生は……どうやら、学園結界の境目の広場にいる様です。猫混じりだから夜目が効く、と言っていたのでなるべくひらけた場所を選んだのでしょう。この広場を基点に巡回する様……何ですがっ。

「ねぇ、刹那さん? アレ、寝てるよね?」
「え、ええ、そ、そうですねっ、私にも寝ている様に見えますよっ」

今すぐにでも、念話で怒鳴りつけてしまいたい衝動を抑えつつ、アキラさんの疑問に答える。

「ああっ、朝霧先生の寝顔……ハァハァ」

どなたかこの変態的な従者をお引取りになってくれる、心の広いお方は居られるでしょうか? ……冗談はともかく、何で先程転移魔法で移動したばかりの朝霧先生が、居眠りこいているか、ですね。警備が始まって早々これとは、そもそも寝ていたら巡回出来ないじゃないですかと―――思ったら、朝霧先生は何かに反応して顔を上げ、そのまま歩き始める。何か見つけたのだろうか?

「あ、何や、もじもじしながらキョロキョロしとる」
「はっ! わかりました、おトイレに行きたいのですねっ! 朝霧先生の○尿シーン……きっちりとデータに」

変態度に磨きが掛かったのではないかと思ってしまう程の、変態的な台詞を恍惚とした表情で言うのはやめて頂けませんかね? お嬢様に変態が移ってしまいますから。と、若干睨み付けるような視線を向けつつ、朝霧先生の監視を―――

「ぶほぉっ!?」
「刹那さん、どうかした……の゛っ!?」

確かに、この魔道具は監視用にはとても優れている様です。朝霧先生が動けばそれに会わせて映像が映る。そして、その朝霧先生は、今まさにチャックを開けもぞもぞと……監視されてるの忘れてませんよね? いくら朝霧先生の頭にお花畑が咲いていたとしても、すぐに忘れてしまう様な事なんて―――

「き、きっちり忘れとるみたいやわぁ……」
「えーと、確か、このボタンがズームでこれが視点変更のボタンでしたね。これで真正面から―――」

させません。ボタンを押そうとする茶々丸さんの手を弾き、咄嗟に停止ボタンを押す。何が悲しくて朝霧先生の、トイレシーンを見なければならないのかと。

『朝霧先生』
『ふぅ……ちょうきもちいい』
『ちょうきもちいい、じゃないです。トイレぐらい、事前に済ませておいてくださいっ。私達が見ているのを忘れたんですか!』
『忘れてなんかいないよ! 先生はただ、見られながらおしっこすると、何故か興奮する事に気が付いただけなんだ!』

こ、この馬鹿先生は。それではただの変態教師じゃないですか。通報されても知りませんよ、まったく。ボタンを押そうとする茶々丸さんを必死になって取り押さえながら、内心愚痴る。3分ほど経ってから、再起動させ、映し出された映像を見てみると。

『この度は、『タマタマタマちゃん』をご使用いただき』
『まことにありがとうございます。ゆっくり見ていって下さい』

映し出されたのは、丸っこくディフォルメされた首から上だけの朝霧先生とクウネルさん。何でしょう、この湧きあがる感情は。この饅頭の様な二人? を見ているとイライラしてきます。

『紹介が遅れちゃった! みんなのアイドルゆっくり裕香と!」
『皆さんの癒しクウネルしていってね、です』

ゆっくり裕香と食う寝るしていってね? それはこの間やりました。……クウネルさんの事って秘密じゃありませんでしたか? どうしてこう、特定されそうな事をするんでしょうかあの人は。

「あ、ああ……ゆっくり裕香(何故か呼び捨てにしてしまう)のぬいぐるみとか、な、ないのでしょうか?」
「ええっ、茶々丸さん、あんなのがいいんですかっ!?」
「あ、ウチもちょっと欲しいかも……もふもふしたい」

お嬢様まで……アキラさんはどうやらそうでもない様ですが。これ、ウザいと言いますか何と言いますか、見ているとイラっと来るんですが……と、映像が戻りました。これでイラっとせずに済―――

「あ、朝霧先生がい、居ない……」
「きっと手を洗いに行ったんちゃう?」

確かに、し終わったのならそれが普通なのかもしれませんが……それなら最初からトイレでして欲しかった。手をハンカチで拭きながら、何が楽しいのか笑顔で戻ってくる朝霧先生にイラっと来る。これだから一人にしておけない。

『ねえ、せったん』
『……何ですか?』
『たまにさ、やらしい事とか変な事考えてないのに、息子がおっきする事があるんだけど、どうしたらいいと思う?』
『知りませんよそんな事! いいから黙って仕事して下さい!』

というか、ナチュラルにセクハラするなと。……前のもふもふ事件といい、今回といい、何かおかしいですね。以前からこういった事を口にする人ではありましたが、ここまで露骨なのはそうなかった筈です、多分。ここ最近、妙にテンションが高かったのと関係しているんでしょうか?

『せったんせったん、のめしょるろーぷんらんが』
『はあっ?』
『ろーぷんろ朝霧先生ゆとるごるにけいらじッけしはにや。ちなみに、今、朝霧先生と私が話した言葉はアルベド語と言って――』

ど、どいつもこいつも……アルベド語だかロリペド語だか何だかわかりませんが、いい加減真面目に仕事して欲しい。顔の筋肉がピクピクしているのがわかる、今、私は猛烈に決戦奥義を放ちたい、勿論全力で。

『おもほげ、しょるろぷんむならりみほ?』
『にほま』
『あやによ、朝霧先生おのらぎろーぷんげぬ』
『らん…がお…?』
『らん…まけ…?』

最後の部分だけは、何となくわかりました、きっと『なん…だと…』とでも言ったのでしょう。というかお嬢様までっもうここまで汚染されていたとはっ! 朝霧先生の影響を少なからず受け始めている次点でどうにかしておくべきであった。茶々丸さんもタマ関係で魔法バレ以前から交流があったのだ…っ! 警戒すべき相手が中にいるのを忘れて私はっ! 守る守ると言っておきながらこの醜態、私は……護衛失格ですっ! 

がっくりと項垂れる私を見て、アキラさんが私の頭を撫でながら慰めてくれる。ああ、朝霧先生には勿体無いくらいのお弟子さんだ……癒される。きっと今、私の頬は赤くなっているに違いない。そんな私を、羨ましそうにお嬢様が見ているのは気のせいだろうか? 気のせいでなかったのなら嬉しい……。

「おっぱいのペラペラーソースっ!!」

そんな私の癒しを粉砕するかの如く、映像に映り出される朝霧先生が、また変な事を叫び出した、どんなソースですかソレ。ああ……頭痛が痛い、そんな気分。その変な声に反応して、茶々丸さんも「う○こだ捨てーろ!」等と、とても下品な言葉を。しまいにはお嬢様まで、「てこきー」と、てこきって何でしょうか?

「今のは全てスペイン語の空耳です。私は『よそ者だ』と言う意味で、このかさんのは『見つけたぞ』と言う意味です。朝霧先生のは『バラバラにしてやる』で、正しい発音は『Vos voy a romper a pedazos』となりますが、バイオハザード4をプレイしている時にその言葉を聞くと、『おっぱいのペラペラーソース』と大抵の方は聞こえてしまうそうです」

バイオハザード4、龍宮がプレイしていたゲームがそんなタイトルだった様な。って、朝霧先生、何物騒な事を叫んでいるんですか! ……わざわざそんな事を叫んだと言う事は、誰かが居たという事でしょうか? 朝霧先生も、目を細め周囲を警戒している。迷子、という事もありえるかもしれませんが。

少し気になった私は、水晶のボタンを押し、見える範囲を広げる。それらしき影は見えない、まだ距離が離れているという事でしょうか。朝霧先生の視線が動く。どうやら見つけた様―――違う。朝霧先生の視線の先から出てきたのは気弾、その速さと大きさから、かなりの気が練り込まれているのがわかる。これ程の物をまともに受けてしまえば、並の術者ならばただでは済まない……まさか。嫌な予感がする、そんな私の感などお構いなしに、朝霧先生は気を纏い、左手に魔法の射手を装填しそのまま振るって気弾を弾き飛ばし、

「手こき!」

また例のスペイン語の空耳を口にする、お嬢様が言った時と違う様に聞こえてしまったのは、多分気のせいだろう。




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