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朝霧先生(ry  51話 登校地獄でgdgd。その十一。

―――強い。最初に眼にしたネギ坊主への凄まじい術、戦闘が始まる直前に浴びせられた威圧、その幼い容姿に似つかわしくない鋭い眼光。只者ではないと思っていた。だが、その強さは拙者の予想を遥かに超えている。

気を纏い限界まで強化した身体能力と、瞬動を利用し繰り出した初撃は片腕で容易に止められてしまうも、流れる様な動作で次の攻撃に移る。拙者とエヴァンジェリン殿の拳、肘、膝、脚、全てをぶつけ交わされる攻防。ほぼ互角の力と速さで交えていたソレは、“測り終えた”と言わんばかりの笑みを浮かべ、徐々に激しさを増した彼女の動きに覆される。

押され始め防戦一方になる前に、自らの出せる最大の速度で頭上、つまり死角を取り打ち下ろした拳は彼女に届く寸前で捕まれ、拙者の攻撃の勢いをそのまま利用され地面に叩き付けられてしまう。
全身に走る衝撃と激痛に耐えながら顔を上げた時に眼に映ったのは、拙者に向かって拳を力任せに振り下ろそうとしている彼女の姿。咄嗟に地面を殴りつけその反動を利用し浮きながら真横に移動して回避。
轟音と共に砕かれ抉りとられる大地、発生した衝撃波を受け回転しながら吹き飛ばされる身体に力を入れ膝を突くように着地し、冷や汗をかきつつも息をゆっくりと吐き呼吸を整え、巻き上がった砂煙に映る彼女の影を見据える。

「―――っ!」

彼女が動き出す前に後方から聞こえた声。詠唱とやらが終了しネギ坊主が放ったのであろう光の矢が抉り取られた大地の中心に降り注ぐ。無論、この程度の攻撃では彼女を倒す事など出来ぬ筈。

『長瀬さん、大丈夫ですか!』

念話、とかいう物でござったか? 不思議な連絡手段で拙者の安否を確かめるネギ坊主に手を振って答える。
まだまだ始まったばかり、これからが本番なのでござろう。こちらもそのつもりで掛からねば先の二の舞になるのは明白。
即席の連携、朝霧殿からはネギ坊主には実戦と呼ばれる物の経験が圧倒的に少ない、いや無いに等しいと聞いている。特に近接戦闘は今のネギ坊主には荷が重すぎる。故に拙者が攻め、その隙にネギ坊主が魔法とやらを放つのが今出来る最低限の連携。それらを生かすには―――

「これしかござらんだろう」

気を練り密度の高く拙者と同等の力を持つ分身体を三体作り出す。今の劣勢とも言えるべき状況を覆す為には、彼女と拙者達の実力が離れ過ぎている。悔しいが数で補うしかない。作り出した分身体の内一体をネギ坊主の補佐に付け、残る二体で彼女を拙者に釘付けにする。

こちらの準備が終わったのと同時に、影が動き未だ晴れない砂煙を吹き飛ばしながら、闇を思わせる30はあるであろう紫黒の光弾が拙者達を襲う。ネギ坊主に向かって行ったそれは補佐に付けた分身が捌き、こちらに向かってきた紫黒の光弾の対処は二体の分身に任せる。その隙に両手に気を練り集めいつでも仕掛けられる体勢を取り、彼女の行動を待つ。
分身から伝わる捌いた魔法の威力は、最初に交えた攻防で繰り出された攻撃の半分程度の威力。質よりも量、という割には数が少ない。彼女のいた場所に視線を向ければ―――消えているっ。気配を感じさせずに移動? 縮地レベルの瞬動ならば出来ぬ事ではないでござるが。不可思議な事が起きすぎる、これが魔法。

「―――ッ!」

突如背後に現れる気配―――完全に反応が遅れたっ。その遅れを取り戻そうと、気を練り上げ威力の高めた裏拳を背後に放つが、現れたはずの気配は既に消え拳は空を切る。
別の場所に居る分身が視たという現象を本体である拙者に伝えようとした瞬間、分身体の影から彼女が出現し無防備な背中に掌打を打ち込んで吹き飛ばし、今度は眼にも止まらぬ速さでもう一体の分身体に肉薄する。タネはわかったでござるが、その移動術は反則でござるよっ!

分身体がエヴァンジェリン殿と戦り合っている内に、吹き飛ばされた分身体と共に連携を取り攻め掛かる。分身体が気で強化された数本のクナイを投擲、拙者は練り上げた気を手裏剣に乗せ投擲し、それを追うように彼女の元へ駆ける。

こちらの行動に気付いたエヴァンジェリン殿は分身体に回し蹴りを放ち距離を取って、いつ取り出したのかわからない鉄扇を広げクナイを弾き返す―――何と言う反応速度でござろうかっ。当たらぬと踏んでいたのであろう手裏剣は素通りさせ、こちらに向かって何か、恐らくは魔力と思われる物を掌に集束させ振るい、高くそして速い魔力の壁を作り出し拙者の動きを鈍らせる。見ただけでも恐ろしい程の威力が込められているのであろうその壁は大地を削りながら凄まじい勢いで拙者に迫る。これ程の物を受け止めるのは愚策、故に瞬動を用いて上に向かって飛びやり過ごす。

他の分身体は……よし、まだいけるでござるな。仕掛けるタイミングは―――今っ! 投擲した手裏剣が方向を変え再度エヴァンジェリン殿に向かって行ったこの瞬間。
ネギ坊主の補佐に付けている分身体に攻撃のタイミングを伝えてもらい、拙者と二体の分身体で三方向から攻め込む!

彼女の背後に迫っていた手裏剣は右腕を振るって発生した衝撃波で無効化され、その隙を突き空中で横に回転し遠心力の加えた蹴りは強固な壁に阻まれ、ようやく抜いた蹴りは威力が軽減され易々と鉄扇に受け止められる。攻める隙を与えない為、続け様に分身体が左右から仕掛けるも、上段蹴りはしゃがみ込む事で避けられ、振り下ろした手刀は地に手を付き逆立ちのまま後方に蹴り上げ弾かれる。
だが、それでも彼女の動きは止まらない。倒立回転の様に体勢を整えた次の瞬間には、右腕に紫黒の球体が集束され、放たれた魔力波はネギ坊主と補佐する分身体を狙い撃つ。
咄嗟にネギ坊主が盾の様な魔法を使い何とか威力を軽減させ、分身体が気を限界まで練り込んだ全力の一撃で弾き飛ばし辛うじて凌ぐ。

その間も激しい攻防が続く。三対一という数の上での劣勢を感じさせぬ動き。抜くのにかなりの力が削がれてしまう堅い障壁。届いたとしても捌かれ、いなされる攻撃。傍から見れば互角に見えるかもしれないでござるが、実際のところ、『互角』に『見えるだけ』で押されているのはこちらである。おまけと言わんばかりにこちらの動きを見切っている様な動きまでされてしまっている始末。

近距離の連携だけではなく、中距離の連携すら容易に凌ぐ彼女の動きに違和感を覚え始めた時には、一体目の分身体が激しい攻防に耐え切れず消され、間髪居れずに放たれた魔力の篭った手刀がもう一体の身体を貫く。分身体が呆気なく消されてしまった事に動揺する事などはせず、今の手刀を放った一瞬の隙を突いて、拙者が今繰り出せる最大の一撃―――集束された気を球状に具現させ拳に乗せて放った―――が。

「今のは―――中々良い一撃だったぞ」

それを微動だにせず右手の掌で受け止められてしまっている……いや、受け流されたっ!?
その証拠に彼女が受ける筈だった破壊の力は彼女の後方に流れ大地を砕いている。拙者とした事が気付くのが遅れてしまったでござるっ! これは―――

「分身体だけあって、連携は完璧だ。本体とほぼ同じ強さを持つ分身を作り出せる者などそうはいまい」

離れようとした瞬間、彼女の右手に力が込められ拳がはずせなくなっている。

「―――が、完璧過ぎる連携、それ故に読みやすく合わせやすかったよ貴様の呼吸も動きも」

呼吸を読まれていた。なるほど、だから今の一撃に呼吸と動きを合わせ、受け流すことが出来たと。

「合気、でござったか」
「貴様にしては気付くのが遅かったな。まあ、これは授業料だとでも思って受け取っておけ」

言葉が終わるのと同時に、反応が出来ない程の速度で放たれた掌打が水月を穿ち、その衝撃が身体を駆け抜けた瞬間に浮遊感が拙者を襲い数十メートル以上吹き飛ばされ木に叩きつけられる。
かなりの魔力が込められていたのであろうその掌打は、身体の内側に深刻なダメージを与え、呼吸を整える事すら困難な状態にまで追い込まれてしまった。まさかたった一撃でここまでのダメージを受けるとは……っ。
後方からネギ坊主と分身体が放った20を超える光弾とクナイも、同数の紫黒の光弾が相殺してしまう。圧倒的な身体能力と技術で翻弄するだけではなく、ネギ坊主の援護すら容易く無効化してしまうとは。

「次に分身で連携を取る時は、つねに呼吸のリズムを変化させる事を覚えるんだな」
「あっ……くっ、一つ勉強に、なったで、ござるよっ」

拙者に向かってゆっくりと歩み寄る彼女の言葉に、軽口を叩く。完全に圧倒されているこの状況ですら、鏡を見なくても今の自分が笑みを浮かべているのだとわかる。未だ、これ程の実力さを見せ付けられても内から溢れる高揚感は止まらない。身体は……まだ動かせぬがそれでもまだ、まだ。

「―――ちっ」

足掻いて見せる、そう思った時、近づいてくる彼女の歩みを止めようとするが如く白き稲妻が彼女を包み込む。ネギ坊主が援護してくれた様でござるな。その隙にまともに動かぬ身体に鞭を打ち、無茶とも言える体勢で瞬動を発動させ地を滑る様に距離を取る。彼女に眼を向ければ、左手の掌から煙が上がっていた。あの障壁を抜いた、という事でござろう。

「魔法薬を使って魔法の威力を無理矢理引き上げたか……中々やるじゃないか」

その表情に若干怒りが見えるのは障壁を抜かれたからなのか、僅かでも傷を付けられたからなのか。
打開策を考えねばならんでござるなぁ。拙者の位置からではネギ坊主との連絡手段が一方通行になってしまうから、分身体に任せよう。

「ネギ坊主、とっておきは無いでござるか?」
「あるにはありますけど……エヴァンジェリンさんの動きが速すぎて」

なるほど、当てられないと。更に、もし当てられたとしてもあの堅い障壁は威力を軽減してしまい十分なダメージを与える事も不可能、きっついでござるなぁ。
もはやこれ以上時間を掛ける必要もないといった雰囲気を出しながら、今までとは比較にならない程の魔力が彼女の右腕に集束されていく。あの膨大な魔力が解き放たれれば凌ぎきるのは困難、である筈なのだが彼女の動きが止まってしまう。

「あ、あの馬鹿霧めっ、訳のわからん事を言いおってっ!」

何故か憤慨している。馬鹿霧……朝霧殿の事でござろうか? 何か問題が発生した?

「何がニートボールだ! 貴様は黙ってミートボールでも食っていろ!」

ニートボール? ミートボール? どの様な内容かはわからんでござるが、どうやら朝霧殿から念話が届いたらしい。どういう意図があってその様な事をしたのかは不明でござるが、その隙にネギ坊主が近づいて右手で押さえている腹部に杖を掲げ、簡易治癒魔法を使い始める。

「治癒系はあまり得意じゃないので、それ程効果は期待出来ませんが……」
「いや、ありがたいでござる。正直、予想以上にあの一撃が効き過ぎていたでござるからなぁ……」

反則でござるよ、まったく。治癒魔法の少しではあるが痛みが引いていく、これならまだ十分に戦える。念話でガミガミと言い合っているこの隙に、攻撃を仕掛けたい所でござるが……彼女の意識はこちらに向けられたまま、今仕掛けても無駄であろう。

「ったく、大体馬鹿霧如きが放った物なん……ぞおおおおおおおおおおっ!?」

こちらが対策を考えている間に何が起こったのであろうか? 突然叫びだした彼女に習う形で、視線を追ってみると―――こちらに、正確にはエヴァンジェリン殿に向かっているのでござろうか? 彼女の後方から青白く光る何かが迫ってきている。あの距離で視認出来る程の大きさ……一体何がっ?

『おい! 貴様が言っていたニートボールとやらは、あのデカイ魔力球の事か!?』

あまりの事に驚いて念話がダダ漏れでござる。話の内容から察するに迫る光球は朝霧殿が放ったものらしい。

「もしかして……援護してくれているんでしょうか?」

いや、それは無いでござろう。今回の決闘には手を出すつもりはないとハッキリ言っていたし、仮にそのつもりがあるのなら何らかの形で事前に連絡が来る……と思いたいでござる。
そうこうしている内に、彼女の目前まで迫っている光球、直径数メートル以上はありそうでござる。それが何故エヴァンジェリン殿に向かって来ているのかはわからんでござるが、これはある意味好機、一先ずは様子見といかせてもらおう。

「ふん、こんなもの受け止めるまでも無い」

その言葉通り、青白い光球を真横に飛び軽々と回避してしまう……のだが、対象が居なくなったその場所に直撃するかと思われた光球は、衝突する寸前で彼女を追うように曲がり尚も彼女に迫る。あの大きさで追尾も出来るとは。
回避して終わったと、油断していた彼女に出来る行動は避け続けるか、同等かそれ以上の力で掻き消してしまうかそれとも……とにかく、この隙に消された分身を再度作り出し、ネギ坊主も何かを詠唱して溜め込み待機。さあ、どうなるんでござろうか?

「ああ、まったくもって忌々しいな! こんな、見掛け倒しなんぞ―――」

左腕を前方に突き出し構え―――どうやら前言を撤回し受け止めるつもりの様だ。見掛け倒し、と言う事はそれ程威力は高くないのであろう、その証拠に易々と受け止められているが、受け止めた事で発生した衝撃が彼女の足元を崩壊させ瓦礫を浮き上がらせている。……本当に見掛け倒し程度の威力しかないのか疑わしい。

「こんなものぉっ! ぬおっ……ちぃぃぃっ! 言ってしまったではないか! くそ、イライラするっ! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック、闇の精霊200柱! “魔法の射手・連弾・闇の200矢”!」

こちらにも伝わるほどの怒気を孕んだ気合で詠唱し発動させた無数の紫黒の光弾が、受け止めていた左腕に集束され、強大な魔力の塊に変化し青白い光球を飲み込み始め―――

「この星から消えて無くなれぇぇぇぇっ!!」

光球が飛んできた方向へと一気に押し返してしまった。何とデタラメな……恐らくは放った術者である朝霧殿に向かっていくのだろう、紫黒と青が混ざり合いさらに巨大になった光球。朝霧殿死んでしまうのではないでござろうか? 光球が見えなくなるのと同時にそんな事を考えてしまう。

「さ、て。どこぞの馬鹿チビニート妖怪スネカジリ虫が余計な事をしてくれたおかげで、無駄な時間を使ってしまったが……次は貴様等の番だ」

あれ程強力な魔法を行使したというのに、疲れ一つ見せないとは……底無しでござるかこの御仁は。せめてあの強固な障壁をどうにかする事が出来ればまだ違うのでござるが。術はあるが隙が無い。分身体との連携が容易く見破られてしまうのでは、意味がないでござるからなぁ。

朝霧殿が言っていた『時間切れ』まで守りに徹する? 無駄でござろう。彼女から発せられる威圧により、対峙しているだけで体力、精神力、それに集中力が削がれていくのだ。心身共に疲弊した所を一発でござる。それに彼女は全てを見せた訳ではない―――ならば。

拙者と同等の分身体は三体、今の状態で作り出せる他の分身体はいいとこ的にしかならん様な物ではござるが、視界を塞ぎかく乱し、あわよくば手の内を晒させる事くらいは出来なくもない、と思いたい。
彼女が動き出す前に六体の分身体(的)を作り出し一斉に掛からせる。その分身体達に合わせる様に、拙者達はクナイを、ネギ坊主は妖しげな薬を胸から取り出しそれを媒介に強化した――今度は雷の矢を放つ。

「―――質よりも量を選んだ、か。だが、この程度ならば」

目前まで迫っていた分身体に向かって、彼女は右手を振るう。衝撃波を起こして掻き消す、という訳ではござらぬようだが、下に振るった右手を返す様に逆袈裟に振るった瞬間、分身体がボンッと音を立てて消滅。分身体に合わせて放ったクナイと雷の矢は、左手を先と同じ様に振るい今度は指先を動かす。何をしたのかは見えなかったでござるが、今のでクナイと雷の矢が全て無効化されてしまった。
一体何を……ん? 月の光に照らされて何か……これはっ!

「糸っ!?」

眼に気を集中させよく見てみれば、彼女の周囲が無数の糸が張り巡らされている。先の分身体もクナイも雷の矢もこれでやられてしまったという訳でござるか。森の中で高速移動していたネギ坊主を的確に狙い撃ったのも、この糸で動きを感知した、と考えた方がよさそうでござる。

「“人形使い”と呼ばれていた事があってな、数多の人形を御するのに覚えた技術だ――こんな具合にな」
「しまっ!」

彼女が指を動かすのに気付いた時には、三体の分身体が糸に絡め取られ身動きが封じられる。どの様な素材で作られたものかはわからぬが、彼女の魔力が強化した糸は容易く経ち切れる程柔ではない。ご丁寧に間接まで決められている始末。咄嗟にネギ坊主を抱え、迫り来る糸を回避し続ける。手の内が見れたのはいいでござるが、これはとんだ誤算でござる。
更に糸だけではなく、30は超えているであろう紫黒の光弾が拙者の動きを追って迫ってくる。左腕にネギ坊主を抱えながら、右手にクナイを持ち迎撃しながらの移動。100mは離れたであろう距離にまで届く糸も厄介だ、一体どれ程の射程があるのだと。

このままでは確実にやられてしまう。糸に拘束されていた分身体を消し、新たに二体作り出して一体にネギ坊主を、もう一体は放たれる魔法と糸の囮にし、本体である拙者は木に両足を付け身体を屈め足元に通常の数倍以上の気を集束させ溜め込み、

――縮地无彊!――

その溜め込んだ気を一気に開放。超長距離瞬動術を使い限界を超えた速度で彼女に迫る。本来ならば100m程度の距離を移動する為に使う様な移動術ではないが、障壁を破り尚且つ彼女にダメージを与えるには、縮地无彊による超加速を利用して両腕に集束させた特大の一撃の破壊力を高めるしかない。とは言っても縮地无彊をこの様に扱うのは初めてでござるが。既にネギ坊主から詠唱の準備に入ったと念話が届いている。致命的なダメージを与えられないとしても、障壁さえ破壊出来ればネギ坊主のとっておきとやらが、その威力を十二分に発揮出来る筈。この様な猪の如き突進はあまり好きではないでござるが―――

「はああぁぁぁっ!!」

―――たまにはこういうのも悪くないでござる。

「クックックッ……半ば玉砕覚悟、捨て身の一撃か。面白いっ!」

幼い顔に似合わない邪悪な笑みを浮かべ仁王立ちし、彼女は右腕を腰の辺りで構え魔力を集束させている。真っ向勝負という訳でござるかっ! 

「ぐうっ!」

前方に気を限界まで練り込んだ両の掌突き出しを加速の勢いを上乗せした一撃。対するエヴァンジェリン殿は集束させた魔力を纏った右拳を振るい―――激突。その衝撃で彼女の周囲に張り巡らされている障壁を破壊、故に障害が無くなった事による拙者の双掌打と彼女の拳のみの純粋なぶつかり合い。

「障壁を破壊するだけではなく、私の一撃と拮抗するとは―――いや、押されているだとっ!?」

もし、エヴァンジェリン殿が今の倍以上の魔力を乗せ全力で放っていたのなら、今の状態には持ち込めなかっただろう。それに、掛け値無しの捨て身カウンター覚悟の全力の一撃、容易く止められては困るでござる。
衝突する拙者の気と彼女の魔力が行き場を無くし周囲を破壊していく。未だ縮地无彊の勢いは収まらず、地にめり込んでいる彼女の足が徐々に後方へ押しやられる。この打ち合いで彼女に一撃を見舞えれば御の字、それにより出来た隙を狙ってネギ坊主がとっておきを使い勝負を付ける事が出来るかもしれない。

「ちっ! “魔法の射手・装填”!」
「くうううううっっっ!」

そんな淡い希望を打ち砕こうと、魔法を使いその力を上乗せして押し返してくる。だが、拙者も後には引けないのでござるよ。両の掌に集束させていた気を更に強化して尚も耐える。両腕の筋肉が技の威力に耐え切れず異常なまでに膨れ上がり声にならない程の激痛を走らせる。

「人間にしてはよく、やった。だが、そろそろ身体が耐え切れまい!」

彼女の言う通り、縮地无彊による異常加速、自身の限界を超えた気の放出。これらが激痛となって拙者の身体を蝕んでいく。だが、それがどうしたというのだ。最強レベルを相手にしているのにそんな事を気にしていたら勝機など掴めず無様に散るだけでござる。仮に、散るのだとしても全てを出し切って散るのならば本望。故に今引く事など絶対にしない。それにエヴァンジェリン殿の意識をこちらに向ける事には成功した様でござるからな。

糸と魔法の囮になっていた分身体が彼女の背後に現れる。全身傷だらけで満身創痍、今にも消滅してしまいそうではあるが―――

「―――くっ、アレを凌ぎきったのかっ!」
「そういう事でござるよ!」

素早い動きで彼女の左腕を取り間接を決め、首に腕を回し拘束。一瞬出来た隙を狙い一気に気を膨れ上がらせ彼女の拳を弾き双掌打を容赦なく胸に叩き込む。破壊したはずの障壁が復活したのか威力は軽減されてしまったが、それでも今の状態では力を受け流すことも不可能。全ての力が叩き込まれ、苦悶の表情を浮かべる。後は拙者がこの場から離れ、ネギ坊主のとっておきを―――

「がはっ―――ぐ、舐めるなよ、その程度読んでいないとでも思ったかぁっ!」
「なっ!?」

身体を拘束していた分身体を力任せに叩き付け、翳んで見える程の速度で踏みつけめくり上げた大地が拙者の腹部を容赦なく突き上げる。宙に吹っ飛ばされながら、唇を噛み意識が飛びそうになるのを必死に堪え、ネギ坊主に付けている分身体に意識を集中させ状況を見る。

分身体から見える範囲には異常はない……が、彼女は読んでいたと確かにそう言ったのだ。一体何を仕掛けて―――まずいっ! 焦りながらも分身体に指示を出し、ネギ坊主を抱えその場から離脱させる。いつ待機させていたのか察知出来ない程の無数の紫黒の光球がネギ坊主と分身体を囲んでいた。魔力の反応ならばある程度ネギ坊主が察知出来る筈なのでござるが。拙者達のぶつかり合いで感覚を鈍らせてしまった?

「ふん、最初に大地を殴りつけたのと同時に忍ばせておいただけだ」

あの時既に地中で待機させていたっ!? くっ、エヴァンジェリン殿に意識を向け過ぎていた所為で感知が出来なかったという訳でござるか。
同種の魔法を連発して相殺し、クナイや拳を使い弾き飛ばしてはいるものの数が多過ぎてこのままではっ!

「他人の心配をしている暇なんぞあると思っているのか?」
「―――がっ!?」

隙だらけだったのであろう拙者の顎を掌打で打ち抜かれる。今の一撃でまた意識がっ、眼の焦点が合わない。ぼんやりと彼女が魔力を集束させているのが視えるが、ダメージを受け尚且つ技を使い酷使した身体が言う事を聞かない……万事休す、でござるか。

「たった二人だけで私を相手にした割には良く持った方だ。まずは厄介な貴様から眠ってもらう事に―――」

かなりの速度で接近した何かが、彼女に最後まで言わせなかった。ぼんやりとしか見えていたかった眼は何とか持ち直し、目の前の光景を捉える。顔は伏せられ影が掛かってよくは見えないでござるが、あのツインテールは。

「神楽坂明日菜か。今頃何しに来た?」

投げかけられた問いに反応し上げた顔が月明かりに照らされる。右腕に持っている禍々しい斧は彼女の得物でござろうか?

「そんなの、こんな遅い時間に居なくなった居候を連れ戻しに来たに決まってんでしょ?」
「ああっ、そんな事より姐さん! 兄貴がやべぇっス!」
「ったく、あの馬鹿ネギは……行くわよカモ!」

突然の乱入者に呆気に取られていたが、我に返って分身体に意識を合わせる。どうやら、誘導させられこちらに近づいている様でござるな。しかし、一般人にしては身体能力が高い御仁ではござるが、アスナ殿が来たところで―――

「右手に気、左手に魔力――合成!」
「な、なにぃー!?」

気と魔力の……合成? それを見た瞬間思わず叫びだす彼女に構わず、凄まじい何かを纏ったアスナ殿がネギ坊主と分身体に駆け寄り、その手に持つ禍々しい斧を振りかぶり勢い良く振るう。迫る紫黒の光弾は斧を振った事により発生した斬撃により半数以上が消滅してしまった。
アスナ殿の援護に一瞬呆けていたネギ坊主も分身体と合わせる様に魔法を放ち残りを打ち消す。よくわからん展開ではござるが、何とか窮地を脱する事が出来たでござるな。

「お、おい神楽坂明日菜! き、きさ、貴様そ、その技法っ」
「あん? ああ、これ? 何か知らないけど朝霧先生の言った通りにやったら出来ちゃった。っていうかアンタらもう少しわかりやすい所に居なさいよね。場所分かんなくてその辺走り回ってたら迷子になっちゃうし……まあ、あの変な光のおかげで見つけられたからいいんだけど」

変な光、恐らくは朝霧殿の放った青白い光球の事でござろう。まさか、朝霧殿そこまで計算して……ないでござるな。

「馬鹿な、例え仮契約で秘められていた才能が開花したとしても、この短期間で咸卦法を習得するなど……いや、おい、貴様その斧どこから持ってきた」
「コレ? 朝霧先生に何か武器になる物貸してって言ったら適当に用意しとくって言ってて……ここに来る途中で見つけたからコレの事なんじゃないかなぁと思って……持ってきちゃいました!」

あの禍々しい斧を朝霧殿が? いや、何でござろうあの斧は。刃は潰されている様でござるが、幾つかの刃が重なり生物を思わせる中心の装飾、そして血の様に赤く光る宝玉。どくん、どくんと脈打っている様にも視える。人体に影響はないのでござろうか? というか、アスナ殿よくそんな物振り回せるでござるなぁ。

「まあ、そぉのぉ辺の話は取り合えず置いといてぇ……ネギィ!」
「ひゃ、ひゃいっ!」

気のせいかアスナ殿の口調がおかしくなっている様な。纏う気配、というかあの斧が発する禍々しい雰囲気とアスナ殿の怒号に驚き、ネギ坊主が気を付けの姿勢で固まってしまったでござる。

「アンタねぇ、こんな時間に外なんか行ったら心配するでしょうが! カモが不穏な気配がどうたら言って駆けつけて見ればこんな事になってるし。私を巻き込みたくないって気持ちはわかるけどね、私は私の意思でアンタの手助けしてんのよ! いい? アンタが何を言おうがね、知ってしまった私が取る行動なんて決まってんのよ!」
「で、でも……」
「でももヘチマもねぇっつってんのよ! いくら頭が良くて魔法が使えてもね、一人で出来る事なんてたかが知れてんのよ! だから人は誰かに頼るし頼られるの、わぁかぁるぅ!? いい加減、一人で背負い込んで行動するのやぁめぁなぁさぁいぃ! 大体ねぇ! 私はもう十分首突っ込んでんのよ! ぶっちゃけ後戻り出来ないしする気もないの! その辺よく頭に叩き込んでおきなさい! いいわね!」
「は、はいぃ!?」

お、鬼でござる、鬼がいるでござる! 

「楓ちゃん!」
「な、何でござろうか?」

いきなり話しかけられてどもってしまったでござる。今のアスナ殿には何故か逆らえない雰囲気が。

「そこの金髪吸血鬼にお仕置きするの手伝ってくれる?」
「勿論、拙者は元より彼女と一戦交える為に参上したのでござるからな」

拙者の言葉を聞いて、「よし」と気合を入れ放置気味の彼女に向き直って左手を伸ばし指を指す。呆れ顔で今のやり取りを見ていたエヴァンジェリン殿であったが、アスナ殿が持つ斧が気になるのか若干落ち着きが無い。

「これからちょっとお仕置きするけど文句ないわよね?」
「ふん、いくら貴様が咸卦法を習得し『呪いの魔斧』を持とうが、今の私にはどうと言う事はない」

『呪いの魔斧』とは恐ろしい物を持たせたでござるな朝霧殿。何か彼女の身体を害する物ならばおいそれと渡すとは思えないでござるから、然程心配する事でもござらんかもしれんが。

「それからネギ。人に心配される様な行動を取ったんだから、寮に戻ったらアンタもお仕置きだからね!」
「は、はい! いっぱいお仕置きして下さい!」

え? 今のはちょっと妖しい会話でござるよ。誤解されても文句は言えないでござるよ。
それはともかく反撃と行こうと思った矢先に、アスナ殿が額に手を当てながら、何かを拒絶する様な素振りを見せ始める。

「それじゃあ……アレ?……何、これ……こ、こんな事、こんな事言いたくないのにぃ!」
「始まったか……どうやら適正があった様だな。おめでとう、これで貴様も立派な漢女だ」
「な、何よそれ……あ、あああああああああああ!!」

叫び声を上げるのと同時に、アスナ殿が身体を反らし何かに耐える様な仕草を見せ始める。その叫び声に反応して斧から発せられる禍々しい何かと鼓動が激しくなっていく。彼女の纏う何かも、宝玉の様に紅く染まり一気に放出。その奇怪な現象が収まった後、だらりと身体を垂らし、顔を上げ唇を歪ませ斧を肩に構えた瞬間に掛け出し。

「ぶるああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

何処かで聞いた事のある様な事をアスナ殿の声で叫びながら斧を振りかぶり、エヴァンジェリン殿に振り下ろした。

「魔斧と咸卦法の相乗効果で身体能力が強化されていても、その程度の攻撃が―――なっ!?」

確かにいくら強化されてい様が、あの強固な障壁を破るのは至難の業。だというのに振り下ろされた斧は容易く障壁を破壊して彼女に迫る。間一髪、左手に持つ鉄扇で受け止め力任せに弾き飛ばして距離を取られる。

「一度ならず二度までも……なるほど、じじいが孫と一緒にする訳だ」

二度も障壁を? という事はアスナ殿は何か特殊な能力を持っていると言う事でござろうか?

『兄貴、のっぽの姉ちゃん。あの斧の事は一先ず忘れてくれ。それよりもさっき発動させた技法なんっスが、あまり長くは持たないんっスよ。だから決着を付けるなら早めに付けるのが吉っス!』

いつの間にかアスナ殿の肩から降りていたオコジョから念話……確かカモ殿でござった。確かにあれ程の強化の術を持続させるのは困難でござろう。短期決戦、それはいいのでござるが。

『何でか知らねぇっスけど、姐さんは障壁を突破出来るらしいから、その隙にのっぽの姉ちゃんが仕掛けて兄貴の『アレ』で止めを刺すってのはどうっスか?』

ふむ、よくはわからぬがアスナ殿が障壁を容易に破壊出来るのならば、拙者が力を削がれる事もない上に、ネギ坊主のとっておきとやらも、それを気にせず放つ事が出来るでござろう。今の拙者の気で作り出せる分身体は……同等の力を持つものが二体、的程度にしかならぬのも同じく二体といった所でござるか。拙者と他二体の分身体で攻め入れば、障壁の無い状態の彼女であればなんとか持ち堪えられそうではあるが、長くは持たんでござろう。何とか隙を作り出さなければ。

「舐めるなよ小娘が!」
「魔法に頼る軟弱者がぁ!」

斧の使い方が全然なっていない、軌道も読みやすく容易に回避されている。だが、それを補って余りある強化された身体能力のおかげで何とか、という状況でござる。破壊した障壁が元に戻るまで数秒、難しい所ではござるが、アスナ殿には障壁の破壊に専念してもらい、拙者が―――

「相手はこっちにもいるでござるよ!」
「ちっ、ボロボロの身体でよくやる!」

確かにそうでござる。だが、こんな状態でもまだ戦えるのでござるよ。
分身体との連携、いや、連携というのには少し雑ではござるが、拙者の役割はアスナ殿が障壁を破壊する為の補助とかく乱。故に分身体にはあまり激しい攻防に参加させず中距離からの支援。そして本体である拙者が接近戦で彼女を釘付けにする。
何度も、何度も打たれる身体、それでもこの妙な高揚感は未だ消えず。分身体の放つ気弾は容易く弾かれ、拙者の拳も蹴りも障壁が無くとも関係なく、簡単に捌かれてしまう。だがそれでも止まらない。

「この状況で笑っていられるとは、これだから戦闘凶は!」
「はっ! 強者とこうして戦り合う事は拙者の望みでござるからな!」

これほどの実力者と手合わせ出来る機会などそうはない。だからこそ死力を尽くして挑むのでござるよ。さらなる高みを目指す為に。

注意すべき糸は彼女の指の動きを追う事で何とか凌ぎ、打ち込まれる凄まじい掌打や蹴りは気を防御に回す事で耐える。一定の距離を保つ、距離を離されれば終わりでござる。身体はとうに限界を超えているがそれでも喰らい付く。

「ジェノサイドブルゥレイバアアアアアアア!!」
「くっ!」

エヴァンジェリン殿の左側から、振り上げられた斧の先から極太の紅い光の柱が撃ち出され障壁を破壊する。右からは拙者の今出せる最大の一撃。紅い光の柱は鉄扇で、拙者の拳は右腕で止められてしまったが、これで糸は使えないでござるな。今度は失敗する訳には行かない。
アスナ殿と二人全力で力を込めて弾き飛ばされない様耐え、彼女の背後を中距離から攻撃していた分身体が取り、両脇の下から腕を回し首で手を組み固定。残る分身体が正面に回り攻撃を仕掛けようとするも、この状態から放たれた紫黒の光弾が貫き消滅してしまう。だがそれでいい。

ネギ坊主に付けた分身体も彼女に向かって突っ込んでいく。あの分身体には力がない事はわかっているのだろう。笑みを浮かべて魔力を放出し、受け止められていた攻撃が押し返され、アスナ殿が吹き飛ばされてしまう。拙者も長くは持たない。自由になった左腕が背後の分身体の腕を掴み握り潰し、魔力の込められた左拳が拙者に叩き付けられ引き剥がされる。

「残念だったな。だが、これで―――」

目前まで迫っていた分身体の背後が激しい光を放つ。分身体を隠れ蓑に近づいたネギ坊主のとっておきが放たれ様としているのでござろう。

「これで最後です! “雷の暴風”!」

分身体を貫きエヴァンジェリン殿に放たれた魔法。あのタイミングならば影を使った移動術も使えない筈。激しい雷が大地を抉りながら彼女を飲み込み、雷を包む様に竜巻の様な暴風が追い討ちを掛けあっという間に森の奥に押しやる。障壁が無い状態であの雷を浴び続ければ彼女と言えどもただでは済まんでござろう。









『朝霧先生』
『何、茶々丸?』
『朝霧先生に向かって高速で接近する魔力反応が』
『うそぉっ!?』

まさか撃ち返された? ネギくんと長瀬相手にしながらよくそんな事が出来たな。……アレ? 俺が放ったニートボールより大きくなってる様な気がするんだけど。まさかエヴァの奴、自分の魔法上乗せして打ち返したのか? 何て事を! これはまずい。

『朝霧先生↓↙←→Aです』
『さすが茶々丸!』

という訳で、両腕を腰の辺りで構え魔力を集中。タカミチ、お前の夢は俺が引き継ぐ!

「かめはめ波!」
『……裕香、しょぼいのが出ただけやん』

ニートボールの予想外の効果からかなりの物を期待してたんだけど。出たのは小さい魔力波。余りに小さすぎてすぐに消えてしまったのであります。これはこのかにしょぼいと言われても仕方ない。

「イメージが完全じゃなかったんじゃないか?」

なるほど、イメージでありますか。……かめはめ波を鮮明にイメージする事が出来なかっただとぉ? そ、そんな馬鹿な……それともあのしょぼいかめはめ波が俺のイメージだとでも言うのだろうか? これは酷い。俺とタカミチの中ではかめはめ波は必殺技という印象が強いから、あんなしょぼいのなんてかめはめ波とは言えない。というかタカミチが見たら全力で豪殺居合い拳かましてくるレベルの酷さだ。

と、それはいいとして、このままでは俺と雪さんがあれに吹き飛ばされてしまう! 雪さんは何か大丈夫っぽい感じがするけど俺がやばい。エヴァの事だからきっとありえないくらいの魔力を注ぎ込んだに違いない! そんな物喰らったらさすがに死んでしまいそうな予感! こうなったら!
両腕を広げて外回りに回しながら胸の位置に持ってきて、手でハートマークを作り。

「萌え~萌え~キュン」
『遊んでないで何とかした方がいいんじゃないんですか?』

あ、遊んでなんかいないよ! その証拠にほら。ハート型の魔力が幾つも撃ち出されニートボール(エヴァ混じり)に向かって行くではありませんか! 萌えは最強ですね、わかりま―――

『あ、掻き消されちゃったよ』

そうだねアキラ。これはもう黙って受け止めるしかないね!
ものっそい勢いで迫るニートボール。それを受け止める為に両手を付き出してスタンバイおk! って、近くで見たらすげぇでかい。こんなの受け止められ―――お、重ッ!
俺のニートボールとエヴァの何かが混ざり合い威力を増したスーパーニートボールを両手で受け止めるも、威力が高すぎて堪えるのすらきつい。

「こ、こんなものぉ……こんなものぉ……ッ!」

これが因果応報というものですか、わかりたくありません。




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